頭蓋骨のゆがみからくる、口が開かない顎関節症・歯の食いしばり

顎関節症施術の解説でも述べましたように、体調不良になるほど、骨格のゆがみが増えてまいります。
顎関節のゆがみも体のゆがみの一部分です。
顎関節の痛みは、特に顎関節が大きくズレているゆがみ方をしていることが原因です。

「体のゆがみチェック」のときに顎関節の動きを施術前と後に確認しておりますが、ほとんどのご来院者に何らかの顎関節症の辛さが見受けられます。

口を開いた時と閉じる時にゴリゴリと音がする場合や、ほとんど口が開かない顎関節症の場合もあります。
口を開ける時の顎関節の動きだす時間差と動く距離、そして外へズレる動きをしていないかを調べます。

首を矯正するだけで、顎関節症矯正ができる

十全治療院では、顎関節症の辛さを直接取り去ろうという発想ではなく、自然修復力の働きにより難なく解決する方向です。

一瞬で終了する簡単な、上部頚椎のたった一箇所のズレ(サブラクセーション)を矯正(アジャストメント)するという方法で全身が快方に向かいます。

したがって、顎関節症を正そうとして顎のゆがみ部位に矯正を加えるのではなく、何方でも、どのような症状でも頚椎の一箇所の矯正で対応します。

顎関節症は、様々な体の不調を招く

① 顎関節症噛み合わせの異常

このように顎関節の動きに異常があると、食事の時も偏った噛み方をしていますから、このような状態で年月が経過しますと、顔が左右非対称になるゆがみが発生します。

それに、顎関節のゆがみは歯の噛合わせにも異常を来して、食いしばる癖・噛みしめる癖が出て顎に負担をかけてしまいます。
ほかにも歯ぎしりなどの噛み癖を招いているのです。

ただし、十全治療院では、このような場合も噛み方を意識して正すことはしないように指導しています。

なぜかというと生体は不都合な状態が起きていても、悪いなりにも精一杯かばって補正作用としての動きをしていますから、上部頚椎の矯正後は自然に任せておいた方がよくなりやすいのです。

② 虫歯や歯茎の炎症を引き起こす

偏った噛み方や、噛み合わせが悪いと、28本の永久歯全体に均一に圧がかかりません。
偏ったところに圧がかるために虫歯になりやすくなったり、歯茎に炎症が起きやすくなったりもします。

それぞれの歯一本一本に流れている神経伝達も滞りがちになり、歯の恒常性維持も困難になり、こういった意味からも虫歯になるリスクも高くなります。

唾液には、歯を洗浄して虫歯を予防する働きがありますから、顎関節のゆがみによって唾液の分泌に異常があると、この面でもリスクを負うことになります。
「食後30分以内は、歯磨きをするな」という説もあるくらいで、それは唾液で歯を洗浄している暇を与えないうちに、歯磨きをして唾液を洗い流してしまうのはナンセンスであるという意味です。

③ 唾液分泌異常により消化吸収に悪影響を及ぼす

あごが歪むと唇や顎関節の周囲にある、8種類の唾液腺を圧迫して唾液の分泌を妨げます。
唾液分泌に異常をきたし、消化液の第一歩でつまずくと胃腸に負担かけることになり、消化吸収にまで悪影響を及ぼします。
ドライマウスなど唾液の分泌異常により、むくみが起きたり、唾液ホルモンであるパロチンも不足して、皮膚もかさついて潤いません。

④ 耳鳴り、めまいを伴う

耳の穴と顎の先端である下顎頭は、きわめて位置が接近していますから、あごのゆがみにより、耳鳴りやめまいを伴っていることがよくあります。
内耳が関係している平衡感覚がくるうと転びやすくなったりして、思わぬ怪我や事故につながる可能性もあり、要注意です。

施術を受けられた後に、耳を刺激して好転反応として、めまいや耳鳴り、あるいは耳がツーンとしてトンネルの中に入ったような一過性の現象が起きる場合がありますが、これによりダメージが残ることは一切ありませんから、ご安心ください。

日常生活の些細な癖の積み重ねが、あごへの大きな負担に

歯やあごに不自然な力を加えている日常生活の癖を「態癖(たいへき)」と呼んでいます。
ほおづえや腕を顔の下に敷いて寝る腕枕や肘枕のほか、唇をかみしめたり、舌で歯を押したりするなどの様々な癖があります。

これらの態癖は、1日当たり100回以上も行っているケースもあり、1回程度ではさほどではないのですが、回数が多くなると歯や顎に負担をかけて顎の骨の変形を招いたりしますから注意が必要です。

めまいの原因になりやすい平衡感覚は、内耳にある三半規管と前庭神経