唾液分泌異常がむくみの原因
唾液の分泌とむくみとの関係
「唾液が少ない」「唾液過多」などの唾液分泌異常がむくみの主たる原因
ご来院の方の顔の歪みが矯正されていくのと並行して、体のむくみも自然に解消されるのを観察してまいりました。
「なぜ、顔の歪みと一緒にむくみも取れていくのか」と、その理由をあれこれと考えていたところ、初めて施術を受けに来られたときは唇が乾いて白っぽくカサカサしていた方が、適度に潤ってピンク色の綺麗な唇に変化しているのに気がつきました。
その時、「なるほど、むくみは唾液が関係しているのだな・・・」と気がつき、「文光堂 解剖学アトラス」にて詳細を調べてみると、口の周辺には多数の唾液腺が存在しているのを確認しました。
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8種類の唾液腺から、1日あたり1.5リットルの唾液が分泌されています。
大唾液腺である耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つと、小唾液腺の口唇腺・頬腺・舌腺および口蓋腺・洗浄腺
、合わせて唾液腺は8種類あります。
成人では1日あたり約1.5リットルもの唾液が分泌されていて、消化吸収において非常に重要な役割を果たしているのです。
それは裏を返せば、唾液の成分と量のアンバランスにより様々な体の不調和が生じるということです。
この唾液の分泌異常がむくみにつながることを経験から発見しました。
口の中に食べ物が入った瞬間、あるいは食事をしようとする行為の前から、食べ物を見たり想像をするだけで唾液分泌が始まります。
唾液成分と唾液分泌量の異常が、消化吸収から排泄にいたるまでの第一歩のつまずきとなっているのです。
この第一歩が正常でないと、唾液がはたらいていない分、胃からはじまるその他の消化器官に負担をかけてしまいます。
これが胃腸などの消化器官の不調を招いてしまうばかりではなく、水分代謝も不調和になって、その代償が浮腫(むくみ)となって現れてきます。
これは、腸が飲食物からの水分吸収をするときに、消化液が十分に唾液から行き渡っていないために、水分代謝が正常ではなくなるからです。
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顎の歪みは、唾液分泌の異常を招く
唇が渇いて、カサカサして荒れていませんか ? 唾液が十分に出ていないのかも知れません。
唾液の分泌異常の大元の原因は、顎のズレにあります。顎関節の歪みが唾液腺を圧迫しているために、唾液の分泌に異常をきたすのです。
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顎関節が歪んでいると、むくみ・消化吸収の問題以外にも、顎関節症や口内乾燥症(ドライマウス)などの不調を招いてしまう可能性があるため、顎の歪みは放置しておくべきではありません。
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唾液の分泌異常は水分代謝をくるわせるため、腎臓にまで悪影響を及ぼします。
腎機能が低下すると、血液ろ過も十分に行えなくなり、更なるむくみの原因になります。
人体の約60%は水分でできています。
腎臓の糸球体を通して毛細血管壁に出入りしている水分は、成人で1日約1トンもあると言われています。
むくみは、さまざまな原因により血管壁から細胞内外に水分が漏れてくることで現れます。
このようなことからも、体の水分代謝が正常に機能していないことが、むくみの主たる原因であると言えます。
むくみを解消するのには、唾液分泌の不調和を正すことが第一です。
体内の循環系とむくみ
心臓から出た動脈は枝分かれして、その末端の毛細血管が体中の細胞にも酸素や栄養素を送り続けています。
毛細血管にも血圧という圧力がかかっていますから、血管の中の水分が血管の外ににじみ出ようとします。
またそれとは反対に、血管の中にあるたくさんのタンパク質が浸透圧の作用によって水分を血管の中にとどめようと働いています。
このバランスが崩れると、むくみが現れることになります。
つまり、タンパク質と水分の浸透圧作用のバランスが崩れることで、体の水分が異常に増加した状態になると、むくみが現れるという仕組みです。
そして、そのようなタンパク質と水分の浸透圧作用のバランス崩壊をもたらす根本の原因となるのも、唾液分泌から始まる消化吸収のバランスの崩れなのです。
タンパク質と水分の浸透圧作用のバランス崩壊は、むくみ以外にもその他重大な不調をも招く恐れがあり、放置すべきでない問題です。